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    2009年12月11日 声をたずねて世界旅《アメリカ編》20

    2009/12/11
    チェナ温泉4泊目の最後の夜・・・・・・。 オーロラ観測も今夜が最後。 夜11時ごろから、アクティビティセンターにはりついている。 時々、外の観測スペースに出たり入ったりして、オーロラの出現を期待して待っている。 明朝は5時に出発の予定。 バスでまた、フェアバンクスの空港へ向かうのだ。 最後の夜明けでも、大きなオーロラらしいオーロラが出て来てくれますように。 心の中で祈りつつ、そして居眠りしつつ、...
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    2009年10月4日 声をたずねて世界旅《アメリカ編》19

    2009/10/04
    ――今日は、チェナ温泉四泊目の日―― 今日もまた、セスナ機は、出発できないと言う。ビーバー村は零下50度位になるらしい。 行っても、こちらへはいつ帰ってこられるのかわからないと言う。セスナ機のエンジンが凍りついて飛び上がれないということだ。 ああ、それでは、日本へは当分帰れなくなるではないか! 残念だ!残念だ!本当に残念だーっ! ただ、セスナ機で、アラスカの上空を飛ぶことは出来るという。 早速...
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    2009年10月3日 声をたずねて世界旅《アメリカ編》18

    2009/10/03
    ところで、すべてのこの人工村を動かす中心の所は、あのような、すばらしい発声の出来る、アングロサクソン系の白人の人達が、操作しているのだろう。 確かな知識と技術を持った人たち。 反対に、朝ごみを集めに来る人々は、ちょっとカラードの、ヒスパニック系などの人々なのか、少しカン高い声の・・・・・・。 何となく、人種差別をするつもりではないが、大雑把に言って、発声法により、役割、失礼ながら階層や、もちろん収入...
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    2009年10月2日 声をたずねて世界旅《アメリカ編》17

    2009/10/02
    ――そして、私は思った。 ――あの二人の男達はエンジニアで、このチェナ温泉村の、つまりこの隔絶したような人工村の存続のための、技術者であり、上層部の指導者層の人たちなのだろうと。 そして、その技術が、この人工村のすべてを把握し、動かしているのだろうと。 ・・・・・・そう言えば、村の一部に、まっ白い大きな長方形のフレームらしき建物が、いくつか並んでいたっけ。 その厚手の壁は、やはり厳寒の地らしく、少しモ...
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    2009年10月1日 声をたずねて世界旅《アメリカ編》16

    2009/10/01
    真夜中、アクティビティセンターへ戻る。そして我家の部屋へ。 ――ところが、ところが、ほとんど眠りかけて部屋へ戻ると、入口のドアが開かないのだ。 カギを色々やってみるのだけれど、ドアは開かない。 しかたなく、また、真夜中、アクティビティセンターへ戻ってスタッフに告げる。 そしてまた戻り、しばらく部屋の扉の前で待っている。 「ああ、眠いのに、早く開けてよー!」 ――やがて二人の大男が、雪の中をやって...
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    2009年9月30日 声をたずねて世界旅《アメリカ編》15

    2009/09/30
    ――真夜中に、またキャタピラーに乗って、別の山の頂上へオーロラ観測のためのテント小屋へ行く。 小屋はちょうどモンゴルのパオと同じような丸いテント小屋だ。厳寒の地では、このモンゴル形式のテントが一番いいのだろうか。内部もパオとそっくりだ。 大きなパオで、100人くらいは入れそうだ。 実際、大勢の赤と青の人がすでに入っていた。 石油ストーブがあちこちに置かれ、赤々と火が燃えている。 ちょうどオーロラの...
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    2009年9月29日 声をたずねて世界旅《アメリカ編》14

    2009/09/29
    ――チェナ温泉3日目―― 朝10時ごろ、また男達の声が聞こえ、荒々しくドアをたたく音。 よく聞くと、「タスケテ!タスケテ!」と言っている。 「アケテ!」じゃないのでびっくりした私。 スワ遭難者か?・・・・・・本当に“ソウナン”か?・・・・・・(寒っ?!ハハハ・・・・・・) ノゾキ穴からのぞくと、昨日の男達が、また手にビニール袋を持って叫んでいる。 「アケテ!」じゃきかないので、今日は「タスケテ!」にしたらしい。 敵も...
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    2009年9月28日 声をたずねて世界旅《アラスカ編》13

    2009/09/28
    夜、暗くなってから、初めての温泉へ行く。 重い防寒具をつけて、ギシギシと靴音をたてながら、温泉館に向かう。 防寒具のせいで、重くてすぐ疲れてしまうので、なかなか温泉に入る元気が出なくて、後になってしまったのだ。 この着ると熊のようになってしまうぶ厚い防寒具は、つなぎのような吊ズボンの上から上着を着るので、脱ぎ着に手間取り、時間がかかって困るのだ。 すぐに防寒具を脱いで、温泉に入る。大変だ。中...
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    2009年9月27日 声をたずねて世界旅《アメリカ編》12

    2009/09/27
    アクティビティセンターに帰ると、北極圏に近いユーコン河のそばに原住民の村があって、そこへセスナ機で行って、原住民と話し合うというオプショナルツアーがあると聞き、さっそく申し込んだ。翌日である。  原住民と話す。――ああ、私にとっては、正に願ってもいないこと! 原住民の人々は、どんな発声でしゃべるのだろうと思うと、心が躍った。 すごく楽しみだ。村の名前もビーバー村と可愛い。北極圏のすぐそばの村で...
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    2009年9月26日 声をたずねて世界旅《アメリカ編》10

    2009/09/26
    レストランに行く。朝と昼が一緒の、ブランチのサンドイッチをたのむ。 レストランの窓からは、ガッシリと雪の地面がまっ白に凍りついているのが見える。雪はほとんど降らないのだが。 部屋を出る時は、出るたびに重い防寒具をしっかり着込まなくてはならない。 脱ぎ着に時間が掛かるので、大変だ。 食堂では、上着と手袋だけをはずして、サンドイッチを食べる。コーヒーが熱くておいしい。 ウェイトレスさんは、まっ白...
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    2009年9月26日 声をたずねて世界旅《アメリカ編》11

    2009/09/26
    犬ぞりに乗る。 四人乗りのソリに、女性ばかり四人だ。もちろん、我々の他に、犬をムチであやつる若い男性が一緒だ。 四人の女性のうち、一人は南米から来た60歳位の女性と、他の若い女性2人。この2人はなぜか軍服を着ている。 犬づかいのムチ男とこの軍服2人が、すごくよくしゃべる。なにやら仕事上の話のようだ。 三人とも白人だけど、声のトーンは高い。ひょっとして、この人たちはアラスカ人かな?南米と私は、た...
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    2009年9月25日 声をたずねて世界旅《アメリカ編》9

    2009/09/25
    ――チェナ温泉2日目―― 天国のような、ふんだんに惜し気もなく使われている暖房の部屋で、ゆっくりと目覚める。 昨日、フェアバンクスに着いてから、大分ハードな行動だったので、せっかくの温泉にも入りに行く元気がなく、バタンキューで寝てしまった私――。 突然、ドアを叩く音がする。 男の声が大声でしゃべっている。複数の外国人の声だ。 びっくりする。ヨロヨロとドアの方へ歩いていく。 よく聞くと日本語で「...
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    2009年9月23日 声をたずねて世界旅《アメリカ編》8

    2009/09/23
    さて、我々日本人の発声について、過去21年間、約2000人近い人々の発声トレーニングを、私なりの特殊な方法で、やらせていただいている経験をふまえて、いくらかの考察をさせていただこうと思います。 ――もちろん、歌の方の発声法と話し声としての発声法とは、腹式呼吸の場所も、使い方も全く違うのですが・・・・・・。 ――ずばり言って、日本人は、本当に、話し言葉における腹式呼吸の発声法(以下、腹式言語発声法と言わせてい...
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    2009年9月22日 声をたずねて世界旅《アメリカ編》7

    2009/09/22
    アクティビティセンターの建物の中は、大きくて広い部屋になっている。ちょうど、小型の体育館のようだ。 そこにたくさんのテーブルと椅子がある。100人以上も人が入れそうな部屋である。 ――そこで大勢の人々が、オーロラの出現を待ちながら、座ったり、又外の鑑賞スペースへと、出たり入ったりしている。 オーロラの一番現れやすい時間帯は、夜中の11時ごろから、3時ごろまでの間であるという。 皆、ぶ厚い防寒具を身に...
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    2009年9月21日 声をたずねて世界旅《アメリカ編》6

    2009/09/21
    【チェナ温泉4連泊のうちの第1日目記】 ―― 闇の中に遠く山々の稜線が、うっすらと見えている。 かなり遠いのだが、その稜線の一部の山々の上に、黄色と緑色の光が広がっている。 あまり小さいので、稲光かなと思ってしまったが、それがオーロラであると言う。 「まだまだ小さいね」と近くで誰かが言う。 数十人の人々が、雪の中に立ったまま、そのオーロラを鑑賞している。 ここは大きなログハウスの様な木造のアクテ...
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    2009年8月25日 声をたずねて世界旅《アメリカ編》5

    2009/08/25
    空港から一同(35人位)バスに乗り、フェアバンクスの市内見物に出る。 思ったよりかなり大きな街の、ナイフのように凍った雪の中を、走るバスのタイヤにチェーンはついていない。 雪もさほど降り積もってはいないのが意外である。 ちょうど北海道の札幌市内のようである。全体に家々は、アメリカらしく大きく、白い壁が多い。 市役所やビルや木造のログハウスのような郵便局などがある。信号機などもあって、けっこうキ...
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    2009年8月23日 声をたずねて世界旅《アメリカ編》4

    2009/08/23
    『日本から片道7時間の、もっとも近いアメリカ!』というキャッチフレーズに続き、 『チェナ温泉の露天風呂につかって、オーロラを鑑賞!』といううたい文句に舞い上がってしまった私。 あくまでも人間の社会や生活に興味があるが、自然現象にはあまり興味の無い私が、飛びつくようにして旅行会社に申し込んでしまったのは、私が大の温泉大好き人間、露天風呂大好き人間であるというせいだったろう。 季節もちょうど暖かい...
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    2009年8月22日 声をたずねて世界旅《アメリカ編》3

    2009/08/22
    「今日の気温は、マイナス43度です!」 ガイド氏が開口一番叫ぶようにそう言った途端、グループの人々に「ウワーッ!」という喚声が上がった。 ここはアラスカ第二の都市、フェアバンクスの空港のロビーである。総勢十数人のほぼ満席のツアー客。 吹き抜けの巨大なガラス窓に覆われたロビーの外は、いかにも冷たそうな風景が凍りついたように広がっている。 ふとガイド氏が、外を通る車を指して言った。 「あれがアラ...
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    2009年8月16日 声をたずねて世界旅《アメリカ編》2

    2009/08/16
    チェナ温泉リゾート村は、他に全く人家などの見当たらない、雪の平原に全てを管理している、アクティビティセンター(中央管理センター)の大きな木造の建物を中心に、他の温泉施設として必要な建物のみが、そのまわりに散在していた。 例えば食堂中心の建物や、温泉館、その他と、もちろんホテルの部屋が。ただしこのホテルの部屋は、1Fと2Fのアパート形式の建物で1軒につき4部屋である。そしてそれは、木立の中にあちこちと...
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    2009年8月15日 声をたずねて世界旅《アメリカ編》1

    2009/08/15
    ――ああ、その村のことを思い出す時、私はいつも、「水槽の村」と呼んでしまう。 水槽といっても中に水が入っているわけでもなく、水中とか、海中とかにあるわけでもない。 それは、北アメリカの北限の地、アラスカのツンドラ地帯にある厳寒の地の、巨大なガラスの水槽の中に、隔絶されたような、温泉のある村、チェナ村のことである。 正確には、チェナ・ホットスプリング・リゾート村というらしい。唯一他の温泉施設と違...
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