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2009年8月22日 声をたずねて世界旅《アメリカ編》3
2009/08/22

「今日の気温は、マイナス43度です!」
ガイド氏が開口一番叫ぶようにそう言った途端、グループの人々に「ウワーッ!」という喚声が上がった。
ここはアラスカ第二の都市、フェアバンクスの空港のロビーである。総勢十数人のほぼ満席のツアー客。
吹き抜けの巨大なガラス窓に覆われたロビーの外は、いかにも冷たそうな風景が凍りついたように広がっている。
ふとガイド氏が、外を通る車を指して言った。
「あれがアラスカ名物のエアフォーです!」
見ると目前を通り過ぎる車が全部、真っ白い煙をつれている。
いや、ちょうど孫悟空が空を飛ぶ時に乗っている、キント雲とかいう雲そっくりに、真っ白い煙に乗って走っているのだ。
エンジンから出る排気ガスの熱が、出た瞬間に空気中の水分を凍らせて、真っ白い雲のようになるという事である。
エアフォーはエアフォール、つまり空気の滝ということらしい。
――さすが厳寒の地、アラスカ!
マイナス40数度の世界なのだ。
――それにしても、この40歳位のガイドの男性が、思いもかけず日本人だったとは・・・・・・!
しかも、もうこちらに10年位住んでいるとのこと。もちろん奥様と子どもさんも一緒に。
現地のアラスカの人が来るとばかり思っていた私は、思い切りアラスカなまりの英語の発声が聞けると期待していたのだが、がっかりした。