2009年8月25日 声をたずねて世界旅《アメリカ編》5

空港から一同(35人位)バスに乗り、フェアバンクスの市内見物に出る。
思ったよりかなり大きな街の、ナイフのように凍った雪の中を、走るバスのタイヤにチェーンはついていない。
雪もさほど降り積もってはいないのが意外である。
ちょうど北海道の札幌市内のようである。全体に家々は、アメリカらしく大きく、白い壁が多い。
市役所やビルや木造のログハウスのような郵便局などがある。信号機などもあって、けっこうキント雲がひっきりなしに走っている。
こんな厳寒の地に、どうしてこんな立派な街があるのだろうかと思う。
しかしその謎は、ガイド氏の説明ですぐに解明した。
――つまりこのアラスカに金鉱が見つかり、ゴールドラッシュが起きて、大勢の人々があっという間に集まり、たちまちこんな大きな街が出来上がったのだそうだ。
そして金鉱を掘り、探し当てようとするうちに、温泉、つまりこれから我々が行くチェナ温泉を掘り当ててしまったらしい。
それにしても、いくら金鉱があるからといって、まあ、夏は雪は無いのだろうけど、こんな所にこんな大きな街が出来ちゃうなんて、人間の欲望は、何てすごいのだろうと、その人間の一人であるのに驚いてしまっている私。
――その上ここには、アラスカ大学もあり、そこのアラスカ博物館に私たちは連れてゆかれ見学したものだ。
――何と何と、そのアラスカ大学のオーロラの権威の大教授で有名な人が、これまた日本人だとか。
ガイド氏もそうだが、こんな北限の地で、がんばっている日本人がいるなんて、私も日本人の一人だけれど、驚きだ。
日本人ってすごいなぁ、と心から思ってしまう。
ちなみに我等がガイド氏は、北海道出身で犬ぞりレースに打ち込んでいるとか。
こちらの犬ぞりレースは世界的なのだそうだ。そして、彼も彼の奥様もそのレーサーで結構すごいらしい。
子どもさんもいらして、この地に、喜んで住んで満足しているという。
ああ、ああ、こーんな寒い所に、と思ってしまう。・・・・・・そして、我等一同、期待のチェナ温泉へ向かったのだ。
――そこは、フェアバンクスから、100kmの所、バスで約1時間30分の村だった。