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2009年9月29日 声をたずねて世界旅《アメリカ編》14

2009/09/29
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――チェナ温泉3日目――

朝10時ごろ、また男達の声が聞こえ、荒々しくドアをたたく音。
よく聞くと、「タスケテ!タスケテ!」と言っている。
「アケテ!」じゃないのでびっくりした私。
スワ遭難者か?・・・・・・本当に“ソウナン”か?・・・・・・(寒っ?!ハハハ・・・・・・)

ノゾキ穴からのぞくと、昨日の男達が、また手にビニール袋を持って叫んでいる。
「アケテ!」じゃきかないので、今日は「タスケテ!」にしたらしい。
敵もさるものと思いながら、ドアを開ける。
三人の男達がすばやく入ってきて、手早く部屋の中のゴミをまとめて、ビニール袋に入れ、風のように出て行く。

「あー、大丈夫だった!」と思い安心する。
「さて、今日はセスナ機で原住民の村へ!」と心が浮き立ってくる。

スナックで腹ごしらえ。
アメリカのスナックって、やたら袋が大きいね。中にいっぱいのコーンスナック。日本人には大きすぎる。
なんかそして、アメリカのスナックって、コーンのものが多いね。スーパーに並んでいるのもほとんどコーン、コーン、コーン。アメリカ人って、“コーン”なものが大好きなのね。(ハハハ、寒っ)

・・・・・・でもおいしいんだ、これが・・・・・・!
歯ごたえがあって、味がいいよ。
あとクッキーもやたら甘くて大きい。なかなかへらないので、いやになる位。
ついでにイチゴも大きい。赤くておいしいのだが。こんな厳寒の中に、こんな立派なイチゴがあるなんて信じられない位、大きな赤いイチゴ!
(2パックも買ってしまい、食べるのに難儀した・・・・・・)

それにしても、ビーバー村とは可愛い名前だね。
聞くとそこには日本人も入っているとか。原住民のイヌイットの人々の中に!?
彼らの生活は?言語は?発声法は?
・・・・・・心が躍ってくる。ああ、早く行きたい!

雪の中をギシギシ、ノロノロと歩き(防寒具が重くて速く歩けないのだ)アクティビティセンターへ向かう。

「ザーンネン!残念!残念!」

セスナ機は、今日も飛ばないと言う。
気温が低すぎて、プロペラが凍りついて飛び立てないという。
「ああ、ビーバー村!原住民の人々!イヌイットの人々!」
泣きたい位残念だ。

早速明日の分を予約する。
仕方が無いので、山の上へ行って夕陽を観察する「サンセットクルーズ」を申し込む。
キャタピラーの雪上車で山の上へ登るのだ。

――山の上は、視界360度のすばらしい眺めであった。
山の上は雪の他、原生林っぽい細い枝の高くはない木々が、打ちひしがれているように、生えているだけで、他には何もない。

ああ、あった、あった。
そうそう、日本の探検家の植村直己さんが遭難されて、戻って来られなかった、北米で最高の山、マッキンリーが遠くに光って見えた。
スゴーイ!

しばらく夕陽が沈むまで、山の上にいた。
赤い、すばらしい夕陽――!!