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2009年10月1日 声をたずねて世界旅《アメリカ編》16

2009/10/01
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真夜中、アクティビティセンターへ戻る。そして我家の部屋へ。
――ところが、ところが、ほとんど眠りかけて部屋へ戻ると、入口のドアが開かないのだ。
カギを色々やってみるのだけれど、ドアは開かない。
しかたなく、また、真夜中、アクティビティセンターへ戻ってスタッフに告げる。
そしてまた戻り、しばらく部屋の扉の前で待っている。
「ああ、眠いのに、早く開けてよー!」

――やがて二人の大男が、雪の中をやってきた。
いかにもアメリカンといった感じの男達。二人でガチャカチャ始めた。

その時、私は電気に打たれたような衝撃を覚えた。
――その二人の男達の声が、あまりにも素晴らしかったからである。
これぞまさしく、正しい腹式呼吸言語の発声だ。眠気は吹っ飛び、私は感動した。
夜の闇の中、玄関外の薄暗い電気の下でよく見ると、二人とも確かに白人、いやネイティブのアングロサクソン系の人である。

厳寒の真夜中、意味は私にはよく解らないが、英語でしゃべっている。
何と暖かい、包容力のある、しみじみと心の中にしみ込むような、しかし、確かな声量の男性の声なのだろう!!

――ああ、すばらしい、ハッピーボイスシャワー!!
体中が柔軟ですばらしい共鳴音を作り出す、楽器になっている。いや、もうすでに楽器そのものである。
――本当に暖かくて、豊かな心の中に染み入ってくる声・・・・・・!!

――やがて、ドアは開き、男達が帰って行く・・・・・・。
「サンキュー、ヴェリィマッチ!」
私はフラフラして酔ったように室内に入ったのだった。