2009年10月3日 声をたずねて世界旅《アメリカ編》18

ところで、すべてのこの人工村を動かす中心の所は、あのような、すばらしい発声の出来る、アングロサクソン系の白人の人達が、操作しているのだろう。
確かな知識と技術を持った人たち。
反対に、朝ごみを集めに来る人々は、ちょっとカラードの、ヒスパニック系などの人々なのか、少しカン高い声の・・・・・・。
何となく、人種差別をするつもりではないが、大雑把に言って、発声法により、役割、失礼ながら階層や、もちろん収入とかも違っているような気がしないでもなかった。
――そして、さらにまた、アングロサクソンと日本人、つまりアジア人。
この発声法の差は、大きく狩猟民族と農耕民族、もっと大きく言えば、肉食人種と、草食人種の違いではないかと思う。
――つまり、生きるために食べるエサとなるもの自体が、動くものなのか、動かないものなのか、さらに言うと、狩猟しなければならないのか、農耕して作物が出来るのをじっと待っているのか、の違いであるように思う。
ということは、エサとなるものが動き回る動物だった場合、食べるためにその動物を追って、あちこちに走り回ったりしなければならない。原始時代であれば、そのために山の3つや4つも向こうまで、聞こえるような大きな声で、仲間を集めたり、動物を威嚇することも必要だったろう。
それには大きな通る声を出すために、最大限に体全体を使って、――つまり体全体を楽器のように使いこなす必要があったに違いない。
そして冷蔵庫など保存出来る機器も無かった昔は、食べる為には毎日毎日獲物をしとめなければならない。そんな狩猟民族のDNAを最も持った人々が、アングロサクソン等の人々ではなかったろうか。
――又、人類の発生は、歴史の上で南アフリカだそうだが、その中の狩猟のうまい人々が、ヨーロッパの方へ流れていき、農地として豊かなアジアの方へは、農耕民族が発生したといわれているということなので、そういう様に私は思います。
また狩猟民族は、当然野宿なども必要だったので、それに耐えられるよう、体温も農耕民族よりも高くなっているようだ。
――以上のような考察の上で、私たち日本人、つまりアジア人はもとより、アングロサクソン系の人々以外の人々も、すばらしい腹式呼吸発声法を、つまり楽に出せて通る魅力的なよい発声をするためには、トレーニングすべきだと、話し言葉専門のボイストレーナーである私は、声を大にして言いたい。
また、年を取れば取るほど、声は衰えていきますので、より一層トレーニングが必要と言えます。ただし、歌とはまったく違います。
正しいゾーンの声を磨くということが、とても重要なのです。
ゾーンは、その人その人の、持って生まれた本当の声のゾーンでなければいけないので、ただむやみにトレーニングしてもかえって悪いのです。
以上、少し我田引水になったかも知れませんが、楽にしゃべれて、よく通る魅力的な声は、放っておいてでるものではなく、特にアジア系の民族は正しいトレーニングがとても重要であると言えるのです。